乳がんブラキセラピー
治療

このがん種の治療には、どのような種類のブラキセラピーが使用できますか?

ブラキセラピーは、乳がんを治療するための放射線療法の一種である。手術後、残っているがん細胞を死滅させるために、一般的にブラキセラピーが使用される1。

高線量率(HDR)ブラキセラピーは、全乳房照射(WBI)として知られる外部照射による乳房全体の治療後に行うことができる。この場合、ブラキセラピーは腫瘍のあった部分だけに放射線を「ブースト」する2。

あるいは、加速乳房部分照射(APBI)として知られる術後の放射線治療の唯一の方法として、HDRブラキセラピーを使用することもできる。これは、腫瘍のあった周辺だけに標的を絞って放射線を照射するもので、WBIよりもはるかに短時間で完了することができる2。

医師の好みに応じて、バルーン、ハイブリッドデバイス(SAVI)、またはマルチカテーテル間質留置法を用いてブラキセラピーを行うことができる。

最新のブラキセラピーでは、CT(コンピュータ断層撮影)画像を用いて腫瘍と放射性線源の位置を制御する。このタイプのブラキセラピーは画像誘導または3Dブラキセラピーと呼ばれる。

このがん種に対するブラキセラピーはどのように行われるのか。

ブラキセラピーの効果は

ヨーロッパの多施設共同無作為化試験で、WBIとAPBIによる治療を受けた早期乳癌患者の治療成績が比較された。その結果、5年後には両治療とも同様の結果が得られた。APBIでは乳房のごく一部しか照射されないので、APBIはWBIよりも心臓への放射線量が少なく(虚血性疾患のリスクが少ない)肺への放射線量が少ない(二次性肺癌のリスクが少ない)という利点がある。

写真1.WBIとAPBIで治療した早期乳癌患者の全生存期間3

別の論文では、上記のヨーロッパの多施設共同試験に参加した女性の副作用と美容上の結果を分析している。

5年後、APBIによる治療を受けた女性は、WBIと比較して、重篤な皮膚副作用(色素沈着、毛細血管拡張、線維症、壊死など)が有意に少なかった。

この臨床データは、全乳房照射の代替として多カテーテル間質ブラキセラピーによるAPBIの使用を支持するものである。

写真2.WBIおよびAPBIによる治療を受けた早期乳癌患者における重篤な皮膚副作用の累積発生率4。

乳がんに取り組むための的確な答え

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参考文献

  1. Skowronek J et al. Journal of Contemporary Brachytherapy 2012; 4(3):152-64.利用可能: https://www.termedia.pl/Review-article-Brachytherapy-in-accelerated-partial-breast-irradiation-APBI-review-of-treatment-methods,54,19362,0,1.html 2021年6月アクセス
  2. Strnad V et al. Radiotherapy and Oncology 2018; 128(3);411-420.Available at:https://www.thegreenjournal.com/article/S0167-8140(18)30197-X/fulltextAccessed June 2021
  1. Strnad V et al. Lancet 2016 Jan; 387: 229-38.Available at:https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(15)00471-7/fulltextAccessed June 2021
  2. Polgar C et al. Lancet 2017; 18(2);259-268.入手先:https://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045(17)30011-6/fulltextAccessed June 2021